Yasuto
Nakahara
________Chef

女はしゃべりがいい

秋ですねぇ。アキといえば八代亜紀、八代亜紀といえば舟唄ですねぇ。「肴はあぶったイカがいい」とか「あかりはぼんやりともればいい」とかいろいろあるけど、一つだけどうも腑に落ちない歌詞がある。

それは「女は無口な方がいい」というフレーズで、僕の今までの人生経験の中ではやっぱり「女はしゃべりがいい」のだ。その方がこっちがしゃべらなくて楽だし、おもしろい。

つまり無口でいいのは美人に限っていうことで、美人というのは自らしゃべらなくても周りがちやほやしてくれ、しゃべってくれるのだ。しゃべるという行為は必要にかられているからしゃべるのであって、その必要がなければ人間は無口になるのである。天敵がいない島では鳥たちは飛ばなくなるのと一緒なのだ。

男のロマンの一つに美人の妻を持つということがあるが、そのためには亭主はまめでなければならない。僕の家の近所で美人の奥さんを持った人たちは100%まめである。

朝のゴミ出し、子供会の行事、学校の行事など必ず積極的に参加し、ほんと頭が下がる思いだ。美人でいつづけるためにはゴミ出しなど日常的なことにかまっている暇はなく、エステ・ネイル・エクステ・習い事、セレブなランチとつねに非日常のことで忙しい。そんなわけでうちのようなレストランも多少はその恩恵を受けることになる。

「風が吹けば桶屋がもうかる」と同じ理論だ。残念ながら美人妻を持つことができなかった「M の月」シェフだが、朝のゴミ出しから家事全般、子どもの世話と日々積極的にこなし「しゃべりのマダム」に心から感謝しつつ、もっとセレブなランチがにぎわうことを祈っている今日この頃である。

もし、みなさんが舟唄をカラオケで歌う機会があれば、ぜひ「女はしゃべりがいい」「亭主はまめな方がいい」を熱唱してほしい。