Yasuto
Nakahara
________Chef

羊たちの沈黙

みなさんはじめまして、羊大好き人間「尽義菓 完」です。待ちに待った春がやって来ましたねぇ。実のところ私、この時期になるとどうも体がそわそわしてしょうがなくなります。それは、どうしてもある食材を使いたいという衝動に駆られ、夢にまで出てくる始末です。

その一つが「アニョー・ド・レ(乳飲み羊)」です。

今まで北海道、フランス、イタリア産、様々なミルク・ラムを使ってきましたが、今回ハンガリー産ミルク・ラムを入荷しようと思っています。実はハンガリーは羊の飼育に歴史のある国で、このミルク・ラムが育つ「ショモジュ県」は生活環境、地形、草原、気候など特に羊の飼育に適しているらしいのです。

母羊は、春から秋の間は化学肥料が含まれていない広大な草原に放牧され、冬になると同じく化学肥料が使われていない藁や飼料を食べています。

そのすばらしい環境で育ったミルク・ラムは、ヨーロッパの市場において非常に高く評価され、ほんのり甘味を含んだ柔らかい肉質は桜色なのです。まさにこの時期ぴったりの食材だとは思いませんか?

このハンガリー産「アニョー・ド・レ」を半頭仕入れ、様々な部位をそれに合った調理法で提供しようと思っています。期間はかなり短く限定的になりますが、詳細は追って連絡しますのでお見逃しなく!

それでは合言葉は「アニョー・ド・レ」でお願いします。くれぐれも「ベルサイユのばら」のアンドレとは全く関係ありませんのでご了承願います。

アニョー・ド・レ(乳飲み羊)

アニョー・ド・レ(乳飲み羊)

英語では「ミルク・ラム」。普通の仔羊とどう違うかというと、このミルク・ラムは親羊の乳だけで育った生後6〜8週間つまり2ヶ月以内のもの。

ちょっとかわいそうな気がしますが、どうしても仔羊が草を食べ始めると羊独特の香りやにおいが出始め、これがけっこう日本人には気になるらしいのです。私どもはこの香りこそが羊らしさでおいしいと思えるのですが...