Yasuto
Nakahara
________Chef

言葉遺産3「馬車馬のように」

蝉の抜け殻を空蝉(うつせみ)、潮が引いたあとの水たまりを忘れ潮と古来より日本人はさして値打ちのないものにも美しい名前をつけた。ちなみに燃え尽きたあとのシェフの抜け殻を「うつシェフ」とも言う。それはどうでもいいことだが...

前置きが長くなりました、はじめまして言葉遺産特別顧問、美しい日本語を守る会会長、金田一シェフ助です。おかげさまで収穫月シェフの言葉遺産、大好評につき毎月一回、年12回のペースで発表することになりました。

それでは第3回、3月度の言葉遺産は「馬車馬のように」です。シェフブログを見られる方はこの言葉はよく出てくると思います。「マダムに馬車馬のように働かされた」とかいった具合に、つまりこの言葉は働くという動詞の形容詞なのです。

本来、日本人は働き者なのでこの働くという言葉の形容詞がいくつもあります。例えば「奴隷のように」とか「身を粉にして」、「飲まず食わずで」など。それではどの言葉が働くという形容詞の最大級なのでしょう。今回はこれをみなさんとともに検証しようと思います。

映画「戦火の馬」(スティーブン・スピルバーグ制作)によれば第一次世界大戦で戦死した馬は約400万頭、運よく生き残れた馬もイギリス本国に送還するための輸送費がかかるためほとんど食用になりました。

人間のため、まさに字のごとく馬車馬のように働いた馬たち。最終的にはソーセージになるというあまりにもひどい運命。みなさん、ひどすぎるじゃあありませんか。あのつぶらな瞳、美しい毛並み、締まったお尻としなやかな美脚、立派な・・・あ、失礼しました。またエロ自粛中というのを忘れていました。

実はここだけの話、シェフブログの中でもエロネタがひどいものはマダムからダメ出しされ闇に葬られるのです。これが結構あり、今度はそれらを集めて本にしようかと思っていますので興味のある方は個人的に私の方に連絡ください。

話がそれましたがもうこれだけで充分でしょう。誰が何と言おうと働くという動詞の形容詞の最大級は「馬車馬のように」で決定です。馬車馬のなかには奴隷、身を粉、飲まず食わずがすべて含まれるのです。

それでは最後に、日々Mの月マダムから馬車馬のように店でも家でもコキ使われているシェフに敬意を払い、この新しい言葉を言葉遺産として登録します。

「シェフ馬のように」