Yasuto
Nakahara
________Chef

プロフェッショナル(一つを極める)

最近つくづく思うのだが、いろいろな事ができるのは確かにいいことだが、その反面どっちつかずになり中途半端になることが多い。まさに収穫月の今の状態がそうである。

レストラン、料理講習会(料理、パン、パスタ、お菓子)、パンGIFT、マダムの小売り、各種イベント(サロン、ワイン会 etc)、専門学校の講師などレストランは閉まっているのになぜか忙しい。「いつ行っても閉まってる」最近よく聞く言葉だ。

一つを極める。
例えばパン屋さんで言うなら食パンだけを作り、そして売る。そのかわりむちゃくちゃ美味しいこだわった食パン。これが一日200本売れたとすると6万円、一ヶ月150万円、一人ですれば十分である。食パンしか作らないので材料も限られるし色々な器具もいらない。毎日同じことをするので技術も向上する。

ただ、飽きてしまうのが心配だ。最近はネット販売もできる。食パンだけで年商5,000万円も夢じゃない。ベンツやフェラーリだって買える。こんな妄想をマダムに言うと「そんなに世の中、甘くない。だいたい飽き性のあなたが毎日まいにち同じことはできない」と一喝された。そんなわけで今日も地道にコツコツ朝5時から「パンコース上級」の準備をしている。

最後に「プロフェッショナル」とは?
自分以外の何物も信用せず、
ただ一つの事しかやろうとしない、できない
絶滅寸前の人達のこと ...である。

次回の料理講習会パンコース上級 7月10日・11日は、「ドイツパン」です。ドイツパンといえばサワー種で作るライ麦パンが主流になる。酸っぱいとか重たいとかちょっと悪いイメージがあるが、真のパン好きが最も好むパンである。僕としてもこれはどうしても避けては通れない道、7月と9月の2回に渡って実施します。

湯だね食パン

湯だね食パン

いい湯だね〜♪の食パンではない。
湯種といって小麦粉を熱湯(60〜65℃)で捏ね、それを半日冷蔵庫で熟成させ、パンの生地を作るというもの。

難しく言うと、小麦中のデンプンを熱湯を加えることによりアルファ化させ、ドロドロとしたペースト状の糊化デンプンにする。この糊化(のりか)によってもちっとした食感が生まれる。ちなみに藤原紀香(のりか)は関係ないです。

重要なことは加える熱湯の温度を必ず守ること。生地に負担をかけないようにゆっくり丁寧に成形すること。

これさえ守れば、翌朝には中はもちっ、外はカリッ、の湯だね食パンが食べられる。少し厚めにスライスして軽くトースト、前日に阪神タイガースが勝っていれば言うことなし。